GemRate の鑑定数の読み方 直近30日は8%増、ポケモンカード単独の内訳は出ていない
鑑定数の集計サイト GemRate のトップページには、鑑定されたカードの枚数を日・週・月で並べた「PSA Grading Trends」という指標が出ています。この記事で扱うのは、2026年10月21日に取得した時点の表示(ページ上の更新日は2026年10月20日)です。数字の出どころは GemRate で、PSA が自社で発表した統計ではありません。指標の見出しは「PSA Grading Trends」ですが、ページの説明文は「PSA、BGS、SGC、CGC の鑑定動向(日・週・月の鑑定総数を含む)」と4社を挙げており、この指標が PSA 単独の値か4社の合算かは、ページの記載からは確定できませんでした。
この記事では、この指標が何を数えているか、そこから何が言えて何が言えないかを整理します。あわせて、ポケモンカードの鑑定数を調べるときに取り違えやすいページについても触れます。鑑定枚数が今後どう動くか、相場がどうなるかの予想は扱いません。
トップページに出ている5つの数字
取得時点で表示されていた値は次のとおりです。
| 表示名 | 値 | 比べる相手 |
|---|---|---|
| 前日の鑑定数 | 106,586枚 | その前日 21,324枚 |
| 直近7日 | 583,901枚(-2%) | 前の7日 597,991枚 |
| 直近30日 | 2,501,577枚(+8%) | 前の30日 2,312,096枚 |
| 直近30日の日平均 | 83,385枚 | 前の30日 77,069枚 |
| 年換算のペース | 3,040万枚 | (比較なし) |
年換算は、直近30日の日平均 83,385枚に365を掛けた値とほぼ一致します(約3,044万枚)。つまり「1年で3,040万枚鑑定された」という実績ではなく、「直近30日のペースが1年続いた場合」の換算値です。
前日の数字は1日単位では読まない
前日が106,586枚、その前日が21,324枚と、1日で5倍近い開きがあります。GemRate の FAQ によると、鑑定されてから POP(鑑定個体数)の公表データに載るまでには1〜2日の遅れがあり、日ごとの値は公表データのスナップショットを前後で比べて出しています。どの日に何枚が反映されるかは公表のタイミングに左右されるため、1日の値は大きく振れます。
このため、前日の数字が大きい・小さいことだけで「鑑定が急増した」「急減した」とは言えません。流れを見るなら7日・30日の合計を使うほうが安定します。
7日と30日で向きが違うことの意味
直近30日は前の30日より8%多く(計算すると約8.2%増)、直近7日は前の7日より2%少ない(約2.4%減)という表示です。
ここから言えるのは、ひと月単位では処理量が前の月より多い水準にある一方、直近1週間は前の週をわずかに下回った、ということです。直近7日の1日あたりは約83,400枚で、30日の日平均83,385枚とほぼ同じです。直近1週が30日平均より上振れしているわけではないので、「伸びが加速している」とは言えません。
逆に、7日の2%減だけを見て「減速に転じた」と言い切ることもできません。7日分の比較は、さきほどの公表タイミングのずれの影響を受けやすく、1週の差は次の週で簡単に入れ替わります。向きの変化を言うには、何週か続けて同じ方向かどうかを見る必要があります。
この数字はポケモンカードだけの値ではない
トップページの指標は、カードの種類を分けない全体の値です。同じページには「Category Trends」という欄があり、スポーツ・TCG(トレーディングカードゲーム)・合計の切り替えがありますが、TCG はポケモンカード以外のカードゲームも含む区分で、ポケモンカード単独の値ではありません(この欄の値は取得時に読み取れませんでした)。
したがって、この数字から「ポケモンカードの鑑定が8%増えた」とは言えません。全体の8%増のうち、ポケモンカードがどれだけを占めているか、ポケモンカードが増えたのか減ったのかは、このページだけでは分からないからです。
また、GemRate はポケモン向けのページとして「eBay Sales Trends - Pokemon」も用意していますが、これは eBay で売れた件数(シングルカードのみ)の推移で、鑑定枚数ではありません。名前が似ていても数えているものが違います。
「Pokemon」で検索したページは全体の POP ではない
GemRate には、名前で検索してカード一覧を出すページがあり、そこに「Pokemon」と入れたページ(アドレスに player=Pokemon を含むもの)があります。ページの題は「Complete Pokemon PSA Card Checklist and Pop Report」で、取得時点(ページ上の更新日は2026年10月21日)では次のように表示されていました。
| 表示名 | 値 |
|---|---|
| 対象カード数 | 810種類 |
| 鑑定総数 | 70,607枚 |
| Gems(PSA では PSA10) | 28,286枚 |
| gem rate | 40% |
題名だけを見ると「ポケモンカードの PSA 鑑定の全体」に見えますが、そうではありません。GemRate の FAQ では、この名前検索は「鑑定ラベルにその名前が書かれているカード」を拾う仕組みだと説明されています。サイトのメニュー上の名前は「Athletes(選手)」で、ここでは「Pokemon」という語がラベルの名前欄に入っている810種類だけが集まっています。
表の値はページの表示そのままです。SAYA が記録している日本版のカードだけでも PSA の鑑定総数は約735万枚あり(4つの鑑定会社の記事)、7万枚はその1%に満たない規模です。この数字を「ポケカの PSA 鑑定総数」や「ポケカ全体の PSA10 率は40%」と読むのは誤りです。
SAYA の記録との関係
SAYA Terminal は、GemRate のデータを利用して、カードごとの鑑定枚数(POP)を記録しています。GemRate は SAYA のデータ提供元です。SAYA のページに出ている鑑定数も、元をたどると各鑑定会社の公表データで、GemRate の FAQ にあるとおり「元の公表データ以上の正確さにはならない」という性質をそのまま引き継いでいます。
SAYA で見られるのは、トップページのような全体の処理量ではなく、カードごとの数字です。
- カード単位の鑑定枚数の並びは 鑑定POPランキング で見られます。
- カードごとの PSA10 の割合は PSA10 率チェッカー で見られます。今回の「gem rate 40%」のような数字も、どの範囲のカードを数えた値かを確かめてから比べる必要があります。
- SAYA の POP ページの読み方は POP ページの読み方の記事 で、SAYA の PSA 鑑定記録で言えること・言えないことは その線引きの記事 で説明しています。GemRate の FAQ も、鑑定会社による再分類で数が減ることや、鑑定会社をまたいだ照合が完全ではないことを注意点として挙げています。
なお、鑑定枚数が多いことは、そのカードが多く鑑定に出されたことを示すだけで、価値の高さを示すものではありません。
確度の区分
- 確定: GemRate トップページの表示(前日 106,586枚、その前日 21,324枚、直近7日 583,901枚・前の7日 597,991枚・-2%、直近30日 2,501,577枚・前の30日 2,312,096枚・+8%、日平均 83,385枚・前の30日 77,069枚、年換算 3,040万枚、ページ上の更新日 2026年10月20日)
- 確定: 「Pokemon」名前検索ページの表示(810種類、鑑定総数 70,607枚、Gems 28,286枚、gem rate 40%、ページ上の更新日 2026年10月21日)
- 確定: GemRate の FAQ の記載(公表データの前後比較で集計、1〜2日の遅れ、名前検索はラベル上の名前で拾う、元の公表データ以上の正確さはない)
- 計算: 年換算が日平均×365とほぼ一致すること、増減率の小数点以下(約8.2%増・約2.4%減)、直近7日の1日あたり約83,400枚
- 未確認: トップページの指標が PSA 単独の値か、PSA・BGS・SGC・CGC の4社合算か(見出しは PSA、説明文は4社を挙げている)
- 未確認: トップページの指標に占めるポケモンカードの割合と、ポケモンカード単独の鑑定数の増減
- 未確認: 前日と前々日の値が大きく開いた具体的な理由(公表タイミングの影響と考えられるが、GemRate は個別の日について説明していない)
出典
- GemRate「PSA Grading Trends」(トップページ)、gemrate.com、2026年10月21日取得
- GemRate「Complete Pokemon PSA Card Checklist and Pop Report」(名前検索で Pokemon を指定したページ)、gemrate.com、2026年10月21日取得
- GemRate「FAQ」、gemrate.com、2026年10月21日取得
- GemRate「eBay Sales Trends - Pokemon」、gemrate.com、2026年10月21日取得